カフェ滞在時間の最高記録

カフェ滞在時間の最高記録

カフェと聞いて真っ先に思い出すのが、高校生の時に友達と過ごした、ある日の、長い長い一日です。いわゆるフランチャイズ型のそのカフェは、なんと言ってもコーヒーが飲み放題。お金のない学生にとっては、まさに天国な場所です。普段はいくら飲み放題とは言え、節度を守った利用の仕方をするのですが、一日だけ、開店時間から閉店時間まで居座ってしまった日がありました。友人と一緒に応募を決めていた文芸賞の締切前日のことです。まずは1杯、最初のコーヒーを頼んで、私と友人は、それぞれの作品を交換して、読み込みを始めました。枚数は原稿用紙で約30枚。読み終わるまでに、2、3杯は飲んだでしょうか。次に、お互いの作品の感想と問題点についての話し合い。「一切、無駄な褒め合いはしないこと」をルールとして、この段落では何を伝えたいのか、その上で、適切な表現になっているか等、一字一句にまで意見しあう真剣勝負です。その間に「すみません、おかわりを」と、どんどんコーヒーが胃袋へと流し込まれていきます。指摘された箇所をどうやって修正するか、いや、まだ直すべき点はないか、そして、これらの原稿は明日までに形となっているのか。そんなプレッシャーに吐き気さえ感じながら、またもう1杯。気がつくとあっという間に閉店時間です。10時間以上は居座っていたと思います。これだけ迷惑なお客もそういないだろうと呆れますが、あの時は常識には構ってられないほど真剣でした。それが功を奏して、友人と一緒に出席した表彰式は本当に良い思い出です。今でもそのカフェの前を通りかかる度に、懐かしさと申し訳なさ、色んな気持ちが甦って、胸がいっぱいになります。

新着情報

おすすめサイト

関連情報